開業資金をすべて自己資金で賄(まかな)えるのがベストであることはいうまでもりません。

しかし自己資金で賄えない場合、その分はどうにかして調達しなければなりません。

もし融資を受けるという場合には、いろいろな選択肢があります。

直接、日本政策金融公庫や役所に申請する方法もあります。

一番望ましいのは、親族から資金を調達することです。

https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/topics_181203_1.pdf
出典:2018年度新規開業実態調査 – 日本政策金融公庫

親族から資金を調達するメリットと、資金調達を受ける場合の注意点

親族から資金を調達するメリットは、経営が軌道に乗るまでの期間、返済を猶予してもらえることです。

ただ、きちんと借用書を作成し、金利や月ごとの支払い金額を決め、それに基づいた返済を行っている証拠を残しておく必要があります。

「ある時払いの催促なし」にしてしまうと、その金額が年110万円を越えた場合、赠与税の対象になってしまうためです。

金融機関には銀行、信用金庫、信用組合などの「民間金融機関」と、国民生活金融公庫などに代表される「公的金融機関」があります。

「お金を借りるところ」というと銀行を思い浮かべる人が多いでしょうが、新規に事業を興こそうとする人が民間金融機関から融資を受けるのは非常に難しいのが現状です。

自己資金でまかなうのが理想

足りないときの調達方法

資金は、すべて自己資金でまかなうのが理想です。そして、最低でも、必要な資金の60%は自己資金は用意しておくべきです。

では、足りない残りの40%をどうするかというと、銀行や金融機関です。

ただ、すぐに思いつく銀行は、あまり期待できません。実績のない新規事業者に融資してもらうのは、非常に厳しいです。

カフェなどの個人経営者が、融資してもらうのに一般的なのは、日本政策金融公庫です。小規模企業や個人商店の支援を行う金融機関です。

もし借りる場合は、創業計画書などが必要なので、公庫に行って相談してみましょう。

ほかにも、自治体によっては、その地域に住む人や商売をする人を対象とした融資制度を設けているところもあります。

正直、銀行や金融機関からお金を借りるというのはリスクも伴います。

いちばんおすすめは、親や兄弟姉妹などの身内から借りることです。ただし、いくら身内といっても、きちんと借用書をつくるなど文書を残しておきましょう。身内なだけに、トラブルは絶対に避けなければいけません。

そのほかには、足りないなら貯まるまで待つ、という選択肢もあります。

自己資金ゼロが問題の原因

開業後、すぐには売上が安定しません。

自己資金ゼロでは家賃の支払いさえも困ることもあるし、新規に事業を興こそうとする人が、民間金融機関から融資を受けるのは非常に難しいのが現状です。

そのためにも、一度、資金計画を立て必要な資金を算出し、資金調達方法を整理してみましょう。

必要な資金を算出する

①設備資金

店舗内外装費、設備、備品、改装費、物件所得費などの内訳を書き込みます。それぞれの見積書や領収書を添付し、小計を出します。

②運転資金

商品仕入れ、経費支払いなどの内訳を書き込みます。それぞれ見積書や領収書を添付し、小計を出します。

①+②の合計を出します。

これで、カフェの経営に必要な資金をいくらか算出することができるでしょう。

開業資金の不足分を補うなら公的な融資制度が便利です。

もしもの備えとしても利用できる銀行など民間の金融機関から借りるには実績がないと難しい。日本政策金融公庫などの低金利の融資制度を利用しよう。

一般的な4つの資金調達方法

①自己資金

自己資金の金額を書き込みます。その金額を証明する銀行の通を添付します。

②親、兄弟、知人、友人からの借り入れ

言うまでもなく、借りられるなら借りましょう。人生のすべてをかけて挑戦しなくては、カフェの経営が成功するなんてことはありません。

③日本生活金融公庫からの借り入れ

融資希望金額の合計と、返済方法、借り入れ条件について、あらかじめ調べたものを書き込みます。(例:元金の金額×返済回数)

④ほかの金融機関からの借り入れ

ほかに銀行などの借り入れがあれば借入します。

なぜ銀行ではなく、日本政策金融公庫なのか?

都市銀行など大きな銀行は、資本力のある企業との取引が主なので、個人では難しいのが現実です。それよりも街の信用金庫や信用組合がベターだと思います。

長谷川さん(仮名)の場合は、まず信用金庫に口座を作り、公共料金の出し入れなどで利用しながら、様子を見てみることにしました。

そのあとで、「融資を受けたいのですが」と相談してみたのです。

すると融資制度の種類やその規模、自己資金との兼ね合い、融資額などを丁寧にアドバイスしてくれました。こうしたことはパンフレットなどを読んでもわかりにくいので、ぜひ直接相談してみることです。

そこで主な融資先とわかったのが、日本政策金融公庫(旧·国民生金融公庫) と、市区町村の融資助成です。

そこで長谷川さん(仮名)は、それぞれの窓口へ相談に行きました。公庫はいろいろなところに支店がありますし、役所は窓口へ出かければOKです。電話での相談はわかりにくいので、直接出向くほうがいいでしょう。

公庫と役所の融資にはそれぞれ特徴があるので、自分の状況や経歴、希望融資額な合っているほうを選ぶべきです。

※日本政策金融公庫のサイトには、『創業の手引』というパンフレットがあります。創業準備、事業計画の立て方、創業の基礎知識、融資制度など細かく図解してあるので、とても参考になります。

開業資金をすべて自己資金で賄えるのがベストだけど…

自己資金で賄えない場合、親族から資金を調達
もしくは日本政策金融公庫や役所に申請する

この方法が、もっともリスクがないはずです。

やはりリスクが高い方法は避けるべきです。

カフェに限らず、会社を経営していくというのは、とても不安定で、精神的にも辛いことが起きる可能性があるからです。

融資も無事受けられることとなれば、また一歩オープンに向けて前進できます。

お店を始めるときに、お金を借りるというのは、ごく普通のことですから格別に怖がることではありません。

しかし、その借りてくる先は、ちょっと考えたほうがいいでしょう。消費者金融から借りるのは手軽ですが、あまりおすすめしません。

返済期間や年利がない親族や知人に借りるのがBESTです。資金調達に困っているのなら、まずは、親族や知人に相談してみましょう。